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スポーツヘルニア

2010.03.09 (Tue)

スポーツヘルニアですが、
私が学生の頃にはあまり聞かなかった疾患名です。
しかし、プロサッカーの歴史が長いヨーロッパでは早くから深刻な問題とされて来たようです。
実は私が高校生の頃に鼠頚部に慢性的な痛みが3ヵ月くらい続き、
非常に困った時がありました。
今考えればこのスポーツヘルニアだったのではないかと思えます。

治療法にはいろんな治療があり、
国によっても考え方が違うところもあるようです。

■海外での治療
・スペイン、ベルギー、スウェーデン、オーストラリア
  内転筋腱や腹直筋腱の炎症や拘宿が原因と考え、
  内転筋腱、腹直筋腱を切る手術
・スウェーデン、
  閉鎖神経のエントラップメントが原因と考え、
  神経の剥離手術
・ユーゴスラビア、イギリス、スウェーデン、オーストラリア、ドイツ
  潜在する鼠径ヘルニアが原因であるとしてヘルニアの修復手術
・オランダ
  スポーツヘルニア手術と同時に内転筋腱を切る手術
・カナダ
  恥骨の薄筋腱付着部の剥離骨折が原因であるとして剥離骨片摘出手術した国
・イスラエル
  腸腰筋の炎症が原因で腸腰筋への注射が有効だとする国
・イタリア(セリエA)、ブラジル
  手術よりも多少時間がかかってもリハビリで治した方が良いという考え
・アメリカ
  ヘルニア修復術に類似した手術が行われている
  (この場合、筋力で保護しにくい骨盤底部の弱い部分を補強する手術)

※このように国によって診断、治療は様々である。
この事から診断、治療が確立されていない難しさを示唆している。

■鑑別疾患
特に鑑別疾患として陸上女子長距離選手の鼠径部痛に関しては、
まずは恥骨下枝疲労骨折を疑うべきである。

■診察
スポーツヘルニアが存在するかどうかではなく、
股関節周辺の可動域制限の有無、
拘宿している筋腱の有無、
筋力低下の有無を確認して改善すべき点は何かを診察する。
Groin Pain症候群

※股関節外転筋の痛みと拘縮が鼠径部に発生すると、
股関節外転動作を無意識にかばうようになり、
さらに内転筋の拘縮が増長する。
      ↓
骨盤の安定性が保てない、
痛みと拘縮、筋力低下の悪循環に陥る

(1)拘縮と可動域制限のCheck
・内転筋圧痛Check

・内転筋拘縮Check

・鼠径部圧痛Check

(2)痛みが生じやすい動作のストレステスト
・SLR

・内転

・上体起こし

・座位にて股関節屈曲

(3)痛みが生じた動作のストレステスト
鼠径部周辺部痛を発症している時は通常は股関節外転、
外旋、伸展動作には負荷を加える事ができる。
スポーツへの復帰する時の事を考え、
痛みが生じにくい動作での筋力訓練を行うためである。
・外旋

・伸展

・外転

■保存療法
治療は保存療法が主で股関節周囲筋、
内転筋の拘縮除去に努める。

・股関節周囲筋の拘縮除去

・内転筋の拘縮除去

・鼠径部の圧痛、筋肉の硬結を確認して治療しているところ




下の写真は圧痛(筋肉の硬結)のあるところにローリングを用いて、
ストレッチをしているところです。
腸骨筋をストレッチ

■股関節周辺のリハビリテーション
(1)痛みが生じにくい動作の筋力トレーニング
・股関節外旋(開排)

・股関節外転

・股関節伸展

・背筋

(2)痛みが生じやすい動作の筋力トレーニング
・上体起こし

・股関節内転

このスポーツヘルニアですが、
ヘルニアといえば「突出」という意味で、
腰椎椎間板ヘルニアの場合では脊椎と脊椎の間の椎間板が突出しています。
鼠径ヘルニアは腸が突出して来ます。
しかし、スポーツヘルニアの場合はとくに何も突出しているのではありません。
鼠径部痛症候群ともいって、鼠径部周辺に痛みが出て来る疾患です。
原因としては「鼠径管やその周囲に腹圧がかかり、その組織を圧迫することによって起こる」とありますが、
私はそれだけが原因とは考えていません。
というのは、このスポーツヘルニアと診断された患者さんを治療していても、
我々の手技でも十分に良い結果が出るという事です。
スポーツヘルニアといわれた方の鼠径部を触診していると、
痛みの原因となっている「しこり」を感じる時が多々あります。
この「しこり」には必ず圧痛があります。
この圧痛を取ると良い結果が出る時が多々あります。
しかし、治療としてはこの「しこり」だけを診るだけでなく、
まず体全身の筋肉の緊張を取ってやり、
そして体全身の骨格のバランスを正常に整えてやる事がまず大事です。
そして局所の痛みの原因となっている「しこり」の治療をしてあげると、
私はいい結果が出ると考えています。

スポーツヘルニアの場合、上記にもしていますが保存療法が主です。
日本では腹壁と腹壁を重ね合わせ、局所の強化を図る手術を受けるアスリートもいてると聞きます。
やはり手術も大事と思います。
しかし、我々治療家にもいい結果が出ている事を認識して頂きたいと思います。

芦屋ローリング健康センター・山西整骨院
http://www.ashiya-rolling.com
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21:59  |  治療  |  Trackback(0)  |  Comment(0)

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